長崎から、世界の造船所へ。
届けたいノウハウ、伝えたい思いがある。

海外事業部営業課

川原 悠

海外事業部営業課

川原 悠

Section01
海を渡るルート営業

川原悠の仕事は、営業。ただし、顧客は海の向こうにいる。「僕の担当は、台湾です。仕事としては、ルート営業に近いですね。お客様からの注文に対応しつつ、こういう資材があるので使いませんか?と提案したり、技術的なアドバイスをしたり。月に1度は、1週間から2週間かけて、台湾出張しています。」
船の内装工事に必要な資材をメーカーに発注し、現地の造船所へ送り届けるのが、彼の役割。資材の発注先は、中国、韓国、イギリス、そして日本のメーカー。その種類は、防火材、防音材、床材、家具、照明など、多岐にわたる。それらを輸出入するための通関業務も、川原の大切な仕事だ。
その間のやりとりは、ほぼメール。日本のメーカーであれば、現物を持っていき、「これと同じものを作ってほしい」と説明すれば理解してくれるが、海外のメーカーだとそうはいかない。「なので、ほしい資材のスケッチを描いて送るんですけど、うまく伝わらないこともあるんです。届いたものを見たら、あれ?なんか違う?と思うこともあったりして(苦笑)。納期もそう。日本のメーカーは必ず納期を守ってくれますが、海外だと、お願いしてもなかなか納品されないこともあるんですよ」。言語や文化が違うゆえの、もどかしさ。だがそんな舞台に、川原は自ら望んで飛び込んだ。

Section02
ホームステイで見つけた夢

小学4年生の夏休み。彼の人生を左右するできごとがあった。アメリカに3週間、ホームステイしたのだ。もちろん、初めての外国。最初は不安でいっぱいだったが、つたない英語が相手に通じた時の感激は、今も忘れられない。「自分の、日本語以外の言葉が伝わるんだ!ということがすごくうれしくて。知らない文化の中で生活することも、楽しくてしょうがなかったですね」。以来、何度もホームステイを経験。いつしか、「将来は海外と関わる仕事がしたい」という夢を持つようになった。
一方、実家が内装業を営んでいることもあり、「内装」も身近な存在だった。「海外」と「内装」。就活中、この二つを兼ね備えている会社が、地元・長崎市にあると知った時はうれしかった。「いろいろ受けたんですが、ここに決めました。事業内容だけでなく、人間関係がよさそうで、意見を言いやすい雰囲気だったことも、入社の決め手になりました」。

Section03
施工管理としての経験が必要だった

だが、いきなり海外で働けたわけではなかった。入社後に配属されたのは、下関の営業所。入社1年目からの6年間を、下関の施工管理として過ごした。だが不満はなかった。「むしろ、それがよかった」と川原は言い切る。海外にある造船所との取引は、長崎船舶装備の技術力が認められ、設計と資材の納入をセットで請け負うことがほとんど。造船所からの図面をもとに、設計部が詳細な図面を設計。次に、海外事業部の営業がそれを読み込み、膨大な種類の資材を拾い出す必要がある。「なので、施工管理の知識や経験は絶対に必要なんです」。
だがその一方で、毎年行われる上司との面談では、「海外事業部に挑戦したい」という思いを伝え続けた。任された仕事に全力投球しつつも、自分の夢を決してあきらめることはなかった。

Section04
コミュニケーションの壁

念願の海外事業部に異動したのは、7年目。うれしかったが、同じくらい、不安もあった。大学でも留学生と国際交流をはかるサークルに身を置いていたが、英語力に自信があるわけではない。しかも担当になったのは台湾。英語すら通じない人も多い。自社の台湾事務所には、中国語に堪能なスタッフもいる。だが現場での会話にいちいち通訳を介していては、コミュニケーションにライムラグが出てしまう。「スマホの翻訳機能を使ったり、現地スタッフのチャットに入れてもらったりして、なんとかコミュニケーションをはかっています。それでも、言いたいことが伝わらない場合もあるし、そもそも文化や習慣も違いますからね」。どんな小さな会議でも、「言った・言わない」をなくすために、必ず内容を議事録やメールに記録して共有。資材の使い方についてもルール作りから取り組むなど、海外営業ならではの苦労も多い。

Section05
大事なのは伝えようとする意志

だがその苦労は、面白さと表裏一体。「やっぱり、文化の違いだったり、施工方法の違いだったり、こんなやり方があるんだ!こんな資材があるんだ!という新しい発見が、僕は楽しいです」。結局、大事なのは、伝えようとする意志、仲よくしようとする意志だと川原は言う。「意思を示せば、わかろうとしてくれるし、話してくれる。台湾の人って、フレンドリーなんです。一緒に食事に行くと、一気に仲良くなりますよ(笑)」。
台湾営業所は、台湾第二の都市・高雄にある。古い建物も多く、台湾らしい風情が残る街だ。現地ではもっぱら食べ歩きを楽しんでいる。「台湾って外食文化なんですよ。ちょっとした屋台がたくさんあって、現地の人がおいしい地元の料理を教えてくれるんです。特に気に入っているのは、フージャオピン(胡椒餅)。肉まんのような料理ですね。台湾ビールの組み合わせはサイコー!です(笑)」。

Section06
もどかしさの向こう側に

スマホにも便利な翻訳機能が搭載されている今、必ずしも英語や中国語が必要ではなくなったようにも思えるが、それでも川原は、「語学力をもっと向上させなければいけない」と感じている。「スマホを使っていたら、どうしてもコミュニケーションにタイムラグが生まれますから。直接話せるようになることが、仲良くなるためには大事」。そう考えている川原は、台湾へ出張に行くと、プライベートの時間も1人で街へ出かけ、いろんな人と会話をしているという。勇気を出して、覚えたての中国語で話しかけ、通じた時のうれしさは、小学生の時のホームステイで見つけた感激と変わらない。「海外事業部の面白さは、異国の地で外国人と一緒に仕事ができること。コミュニケーションは苦労するし、もどかしさはあるけれど、だからこそ伝わった時はすごくうれしい」。
そして、これからの目標をこう語る。「いつかは客船に携わりたいですね。アジアだけでなく、欧米でも仕事をしてみたいなぁ。この会社なら、不可能じゃないと思うんですよ。だって、長崎船舶装備のノウハウを待っているお客様(船主、造船所)は、きっと世界中にいるのだから」。

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